土木建築設計者向け|引張強さ600MPa(N/mm2)以上の鋼材

SS400からの強度向上や軽量化を求める設計・購買担当者様へ。

新鋼材SS540+は、SS540を超える引張強さ600MPa以上とSM材に迫る優れた溶接性を両立した独自開発のハイテン鋼です。設計自由度の向上、製造プロセスの円滑化、輸送費まで含めたトータルコスト削減を実現。最小ロット2tから提供可能です。

引張強さ600MPa以上の鋼材とは?

「あと、ほんの少し強度があれば、もっと軽く、もっと強くできるのに…」

そんな設計・製造現場の“あと少し”を実現するため、光陽こうよう産業が独自開発した鋼材がSS540プラスです。

結論からお伝えすると、SS540+は、SS材のJIS規格最高強度であるSS540の「降伏点」や「伸び」の基準を満たしつつ、引張強さの最低値を600MPa(N/㎟)以上に高め、かつSM材に迫る溶接性を実現した、まさにSS540の上位互換と言えるハイテン鋼(高張力鋼)です。いわばSS600といったイメージです。

この記事では、SS540やSM570が抱える課題を解決し、設計の自由度向上とトータルコスト削減を両立するSS540+の全貌を解説します。

高強度SS材・SM材選定時の課題

SS400からの強度アップや軽量化(薄肉化)を検討する際、SS490やSM490などありますが、費用対効果で候補となるのがSS540やSM570です。

しかし、これらの鋼材にはいくつかの共通した課題が存在します。

課題1:強度の限界

費用対効果を考えて板厚を1〜2ランク下げると、SS540やSM570では引張強さが不足するケースがあります。特に引張強さの最低値が600MPa以上を保証していないため、重要な局面で採用を見送らざるを得ないことがあります。

課題2:溶接性の懸念

SS材(JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材)は溶接性の基準(炭素当量 Ceqなど)が規定されていません。そのため、高強度・厚板になるほど、適切な予熱管理を行わないと溶接割れのリスクが高まります。その点、SM材(JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材)は溶接性を考慮しています。

課題3:入手性とコスト

SS400と異なり、SS540やSM570は市場流通性が低く「特注品」扱いになることが少なくありません。大手メーカーでは最小発注ロットが100トン以上になることもあり、必要な量をタイムリーに入手するのが困難です。また、材料単価も割高なため、コストに見合わない場合もあります。

その他の鋼材は代替になるか?

SN材(JIS G3136 建築構造用厚鋼板)やSC材(JIS G4051 機械構造用炭素鋼鋼材)は主用途が異なり、SS材の直接の代替品としては扱いにくいのが実情です。

またJIS規格ではありませんがHT590というハイテン鋼もありますが、引張強さの最低値は600N/㎟以上ではありません。

課題解決のハイテン鋼SS540+

なぜ引張強さ600MPa以上なのか?

それは、従来の製造工程を変えることなく、鋼材の変更だけで確実な軽量化を実現するためです。SS400から板厚を1ランク下げると強度不足になりがちな「壁」を乗り越えるため、私たちは引張強度の最低値を600MPa(HT600クラス)に設定しました。

ハイテン鋼SS540+のフラットバー

ハイテン鋼SS540+のフラットバー

SS540+の特長

中小企業の機動力を活かし、独自の技術で以下の特長を実現しました。

  • 圧倒的な強度: 引張強さ600MPa以上を最低値として規定。
  • 優れた溶接性: SM570に迫る溶接性を獲得。
  • 良好なめっき性: 溶融亜鉛めっきに適したシリコン(Si)値に調整。

この技術の基盤は、T-25荷重の車両が通る道路側溝や100t超のリーチスタッカーが往来する港湾のグレーチングとして400万枚以上の納入実績を誇る「ハイテングレーチング」で培われました。その功績は「第2回素形材連携経営賞 素形材センター会長賞」の受賞によっても認められています。

鋼材を圧延製造する様子|光陽産業株式会社

圧延製造されるハイテン鋼|光陽産業株式会社

設計・製造・コストのメリット

メリット1:【設計】自由度の最大化

引張強さの最低値が600MPa以上のため、強度を担保しながら板厚の薄肉化が可能に。製品の軽量化コンパクト化に大きく貢献し、設計の可能性を広げます。

メリット2:【製造】プロセスの円滑化

高強度でありながら、SM材に近い優れた溶接性を実現。特別な設備投資や煩雑な予熱管理を最小限に抑え、製造プロセスをスムーズにします。

メリット3:【コスト】トータルコストの最適化

材料単価だけでなく、軽量化による輸送費やめっき代の削減、鉄の省資源化、さらにはCO2排出量削減(トンキロ法)による環境価値の向上まで含めた、トータルでの製造原価低減に貢献します。

スペック比較表

項 目 SS400 SS540 SM570 SS540+
引張強さ(MPa) 400~510 540~ 570~720 600~
溶接性
薄肉化時の引張強さ 比較基準
薄肉化時の重量軽減率 比較基準
トータルコスト

※トータルコスト:鋼材価格、輸送代、作業工賃、めっき代、エネルギー代等が重量をベースに算出される場合

 

ハイテン平鋼を小ロットで安心導入

強度が高くて加工がしやすいハイテン鋼SS540+を汎用性の高い平鋼(フラットバー)として規格化。長さ6mを最小ロット2トンから提供可能です。過剰な在庫を抱えるリスクを最小限に抑えながら高機能鋼材の取り扱いをスタートできます。

ハイテン鋼のフラットバー

 

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