汎用鋼材が直面する性能とコストのジレンマ
長年、土木・建築・産業機械分野と幅広く汎用的に使われてきたSS400。
製造業で設計や材料の購買に携わるご担当者様は、一般的な鉄鋼材料「SS400」を利用する中でこのような課題に直面しているのではないでしょうか。
- 性能のジレンマ 材料費を抑えつつ強度を維持したい。製品の軽量化を実現したい。
- 代替材の障壁 ハイテン鋼はロットが大きく、コストも現実的ではない。
見過ごされがちな間接コスト
さらに、材料費の裏には、輸送燃料費、表面処理費、溶接人件費、現場作業員の身体的負担といった、目に見えないコストが隠れています。
その全ての課題を、鋼材を変えるだけで解決できるかもしれません。
課題解決へ導く高機能鋼材SS540+
製品の軽量化とトータルコストダウンを両立させるために開発されたのが、高強度・小ロット対応の鋼材、光陽産業のSS540+です。

ハイテン鋼SS540+のフラットバー
【強度UP】鋼材の板厚を下げられる
SS540+は引張強度を600MPa以上にまで高めた特殊鋼材。
これによりSS400の6mm厚を使用していた箇所を4.5mm厚のSS540+に置き換えても同等以上の強度を確保できます。
SS400 | SS540+ | |
---|---|---|
降伏点 | 245N/mm2以上 | 420N/mm2以上 |
引張強さ | 400~510N/mm2以上 | 600N/mm2以上 |
【軽量化】常識を覆す25%重量軽減
板厚を6mmから4.5mmへ。その差わずか1.5mmですが約25%※もの大幅な軽量化が実現。
製品・構造物が軽くなることで輸送コストの削減、現場でのハンドリング性向上にも繋がります。
※6mm厚→4.5mm厚への変更による理論値
材質変更による3つの経済的メリット
「SS540はSS400より高いのでは?」という疑問は当然です。しかし、材料単価の差は複数のメリットで十分に相殺可能です。
【1】直接的なコスト削減
材料使用量の削減に加え、めっき・塗装面積、輸送重量、溶接量の削減にも繋がり、製造・物流コスト全体を圧縮します。
【2】製品の付加価値向上
約25%の軽量化は、顧客にとって「運搬・設置が容易」「燃費が良い」といった明確な付加価値となります。これは競合製品との差別化に繋がり、価格競争からの脱却を後押しします。
【3】環境負荷の低減
自動車業界が車体の軽量化で燃費を改善したように、製品の軽量化は輸送効率を高め、CO2排出量を削減します。これは、企業の環境配慮への取り組みとして、社会的評価にも繋がる可能性があります。
既存設備・工程をそのままで導入可能
高強度鋼材の導入で懸念されがちなのが、加工や溶接の難しさ、それに伴う設備投資や作業工程の変更です。
しかし、SS540+は、独自の成分調整によりSS材やSM570材に迫る良好な加工性・溶接性を実現しています。
そのため、現在SS400や通常のSS540にご使用の切断・穴あけ・曲げ・溶接といった既存設備や、現場の作業手順を大きく変える必要がありません。特別な設備投資や従業員への追加訓練といった導入負担を最小限に抑え、スムーズな切り替えが可能です。