ハイテン鋼SS540+|光陽産業株式会社

ハイテン鋼SS540+のフラットバー

ハイテン鋼(高張力鋼)SS540+とは?

ハイテン鋼(高張力鋼)「SS540プラス」とは、光陽産業株式会社が独自開発したハイテン材の鋼材です。SS540+は、引張強さ600MPa以上、SM570に迫る溶接性、良好なめっき性を実現しました。

強くて加工しやすいハイテン鋼を汎用性の高い平鋼(フラットバー)として規格化。最小ロットでの供給にも対応しており、導入しやすい体制を整えています。

鋼材を圧延製造する様子|光陽産業株式会社

鋼材を圧延製造する様子|光陽産業株式会社

ハイテン鋼SS540+の業種別メリット紹介

土木建築設計者向け|引張強さ600MPa(N/mm2)以上の鋼材 鋼材商社向け|営業提案力をアップ 製造業向け|強度維持し25%軽量化

製品の軽量化は、輸送時の燃料消費を抑えCO2排出量を削減します。この環境負荷低減への貢献は、企業の社会的評価にも繋がる重要な要素です。
エコ

種類別スペック比較

圧延鋼材比較表

項 目 SS400 SS540 SM570 SS540+
引張強さ(MPa) 400~510 540~ 570~720 600~
溶接性
薄肉化時の引張強さ 比較基準
薄肉化時の重量軽減率 比較基準
トータルコスト

※トータルコスト:鋼材価格、輸送代、作業工賃、めっき代、エネルギー代等が重量をベースに算出される場合

SS材とSM材
SS材(JIS G 3101:一般構造用圧延鋼材)

Steel Structureの略 鉄鋼材料の中でも最も一般的な材料であり、建築・土木に限らず多くの用途で使われる鋼材。

SM材(JIS G 3106:溶接構造用圧延鋼材)

Steel Marineの略 SS材よりも溶接性を向上させた鋼材。船舶をはじめ溶接の多い構造物で使われる鋼材。

SS540+の平鋼規格サイズ

平鋼(フラットバー)単位:mm

FB 4.5×19 L=6000
FB 4.5×25 L=6000
FB 4.5×32 L=6000
FB 4.5×38 L=6000
FB 4.5×44 L=6000
FB 4.5×50 L=6000

上記以外の平鋼サイズ、長さの加工等はお気軽にご相談ください。

その他、ハイテン材の各種形状をお探しの場合もお気軽にご相談ください。

ハイテン鋼のフラットバー

ハイテン鋼のフラットバー

小ロット仕入れ:2トンより購入可能

特殊鋼材でありがちな「最小ロット100トン」といった制約はありません。お客様のニーズに柔軟にご対応します。

SS540+の機械的性質・成分割合

機械的性質(代表値)

項 目 記 号 SS540+の規定値 備 考
降伏点 Y.P. 420MPa SS540を超える
引張強さ T.S. 600MPa以上 SS540,SM570を超える
伸び EL. 19%以上 SS540を超える/SM570相当

化学成分

項 目 記 号 SS540+の規定値 備 考
炭素 C 0.30%以下 SS540と同じ
シリコン Si 0.13~0.26% 溶融亜鉛めっき性に配慮
マンガン Mn 1.20%以下 SS540:1.60%
SM570:1.70%
リン P 0.04%以下 SS540と同じ
硫黄 S 0.04%以下 SS540と同じ

簡易炭素当量

0.5%以下(簡易版C+Mn/6)※SM570は0.46%以下

鋼材証明書ミルシート

ハイテン平鋼の製造工程

光陽産業株式会社は全国で3本の指に入る小型鋼材メーカーです。光陽産業の圧延製品は確かな品質の製品づくりに向けて原料の吟味から徹底して行い、自動化製造ラインを駆使した一貫生産体制を構築。小型鋼材製造では全国トップクラスのシェアを誇ります。

ハイテン材の圧延製造動画

※映像はハイテンアイバーを製造中のものです。フラットバーと製造工場、工程等は同一です。

品質管理について

ISO9001および伸鉄業界では、いち早くJIS G 3101(SS400)の品質圧延工場として認定。自社でのロール加工技術、万能試験機や成分分析装置などの各種検査機器を駆使し、高い品質を維持しています。

各種検査機器

万能試験機、組織検査、ブリネル硬さ試験、マイクロビッカース硬さ試験、ロックウェル硬さ試験、成分分析装置、磁粉探傷試験機等。

SS540+のよくある質問Q&A(FAQ)

価格を教えほしい。

発注量や仕様により変動しますので、お手数ですがお問い合わせフォームよりご連絡ください。

鋼材のサンプルがほしい。

サンプルについてはページ下部のお問い合わせフォームよりご相談ください。

最小発注ロットは?

2トンからご注文いただけます。

ハイテン材の切削性・切断性・曲げ性はSS400と比較して劣るか?

SS400に比べて高強度なため、刃の消耗が若干早まる可能性はありますが、生産性が大きく低下する可能性は低いと考えられます。

ヤング率はSS400と同じか?

はい、鉄鋼材料ですのでほぼ同じです。そのため、たわみ量が設計基準となる場合は板厚の変更に伴い再計算が必要です。

めっき性についてはどうか?

溶融亜鉛めっきで問題となりやすい「白やけ」や「亜鉛の過剰付着」を抑制するため、シリコン(Si)値を最適な範囲に調整しています。ただし、めっき条件にも依存するため、事前のめっき試験を推奨します。

SS540+は鋼板を切って加工したものか?

いいえ。工場で圧延製造された高張力鋼の平鋼です。

設計図書に「SS400」と指定がある場合も使用できるか?

「SS400又は同等品以上」といった表記が標準設計で見られますが、一般的に、発注者との協議・合意(承認願いなど)の上でご使用いただける可能性が高いです。これは公共調達などで、より経済的で優れた技術の採用を促すための一般的な表記です。

一般的な「60キロ鋼」と引張強さ600MPaは同じか?

異なります。60キロ鋼は60(kgf/mm²)×重力加速度9.8(m/s²)≒588N/mm²(MPa)となり、600MPaに届きません。SS540+はこの点を改良し、600MPa以上としています。

溶接時の予熱管理は必要か?

SM材に近い溶接性を有するため、予熱管理は不要または最小限で済む場合が多いです。ただし、板厚や拘束条件など実際の溶接環境に応じて適切な施工管理をお願いいたします。

溶接割れは発生するか?

溶接学会誌の「2-5 溶接割れについて」によれば、溶接割れは軟鋼にも高張力鋼にもあらわれ、一般的に治金学的因子(材料の成分、凝固条件、熱影響に母材の延性低下、過飽和水素による脆化、有害不純物の存在等)と力学的因子(加熱及び冷却過程において生じる収縮応力などの熱応力、変対応力、継手の拘束度等)に分けられます。

また、溶接割れは材料だけでなく、施工条件にも大きく左右されます。『SS540+』は炭素当量などを適切に管理し、耐溶接割れ性能を高めていますが、高張力鋼の一般的な注意点を踏まえた施工をお願いします。
※参照 https://www-it.jwes.or.jp/lecture_note/pdf/public/2-5.pdf

SS540+はJIS規格品か?

いいえ、JIS規格にはない光陽産業の独自規格品です。JIS G 3101 (SS540) や JIS G 3106 (SM570) などを参考に、それらの性能を上回ることを目標に開発した鋼材です。品質はISO9001認証工場で厳密に管理されています。

注文から納品までの期間は?

ご注文の仕様や量、生産状況によって変動しますが、弊社は小ロット・多品種生産を得意としておりますので、柔軟に対応可能です。まずはお気軽にご相談ください。

どのような製品への使用が想定されるか?

SS400では強度が足りず、SS540やSM570では入手性やコストが課題となる構造物での軽量化・高強度化に貢献します。

SS400からSS540+に変更する際の設計上の利点は?

利点は、強度が上がるため許容応力を見直した強度計算が可能です。

なぜ大手鉄鋼メーカーでは小ロット対応が難しいのか?

大手メーカーは、一度に数百トンを製造する大規模な生産設備が主流のため、少量生産では採算が合わないことが理由です。私たちは小型圧延に特化し、機動力を活かすことで、お客様の「2トンだけ欲しい」というニーズにお応えしています。

導入事例

SS540+の応用可能性について

ご参考までに、SS540+の応用が期待される平鋼の主な使用例を分野別に紹介します。

建物の構造補強から、社会インフラを構成する重要な要素として活用されています。

  • 構造・補強部材: 建物の補助的な構造材、プレート、補強リブ。鋼矢板、敷鉄板、鋼管杭などの補助部材、軽微な架台や架棚。
  • 内外装・建具・サッシ周りの補強: 階段の骨組みとなる桁(けた)材や手すり。窓枠やドア枠の補強材や取り付け用の下地材。
  • 基礎・接合部材: バンド材 ・コラムの裏当て金、架線金物、ブラケットやアングルピース。
  • 仮設材:仮囲いの支柱・補強材・仮設治具。
各種産業機械や工場設備において、構造を支える骨組みから細かな部品の取り付けまで、多岐にわたって使用されます。

  • ベースプレート・取付台: モーターやポンプなどを床や架台に固定するための土台(ベース)や、各種部品を取り付けるためのプレート。
  • 支持部材(サポート・ブラケット): 配管、ダクト、ケーブルラックなどを支えるためのサポートや、壁や柱に部品を取り付けるためのブラケット。
  • 機構部品・治具: コンベアのガイドレール、製品加工や検査に使う治具の基材。
  • 工場設備・安全対策: 作業台、重量棚、製品を載せるパレット。機械周りの安全柵や安全カバーのフレーム。
店舗やオフィス、そして住宅の屋外空間(エクステリア)において、デザイン性と強度を両立させる部材として利用されます。

  • 店舗・オフィス什器: 商品を陳列する棚やラックのフレーム・支柱。バックヤードの重量物保管棚。
  • 家具: 業務用・家庭用のデスク、テーブル。
  • エクステリア(外構): 住宅や敷地を囲うフェンスや門扉の部材、店舗の看板を取り付けるためのフレームや支柱。
トラックや建設機械など、高い耐久性が求められる車両や輸送機器の骨格や部品として使われます。

  • 車体・荷台:荷台のフレーム
  • 部品・属具: 建設機械の乗降用ステップや手すり、保護ガード。工場内で使用される運搬用台車のフレーム。ヘッドガードやフォーク(爪)を固定するバッグレストなどの部品、駆動部品を支える補助部材。
屋外での使用が基本となる農業施設や機械において、耐久性のある構造材として貢献しています。

  • 農業施設: 台風対策用の補強材(筋交い)。畜舎や堆肥舎の間仕切りや構造部材。
  • 農業機械: 耕運機やトラクターの補強材、ロータリの爪、アタッチメント(作業機)を取り付けるための部品。
  • 園芸・造園: 獣害を防止するための柵やフェンスの支柱・フレーム。
専門業者だけでなく、個人が製作を行う際の汎用的な材料としても広く使われています。

  • 汎用金物: オリジナルの棚や作業台を製作する際のブラケットや補強金具。趣味の工作やちょっとした修繕に用いる材料。

その他、新用途に関するご意見やご相談などございましたらお気軽にお問い合わせください。

問い合わせ

サンプルご希望の方は使用用途などを明記のうえ、下記のお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。

光陽産業 来山社長

私たち光陽産業が扱う鉄という素材は、約3500年もの歴史を持ち、あらゆる場面で社会のインフラを支える鋼材です。今回のハイテンフラットバーSS540+は、付加価値創出という自社の強みを生かし、“鉄の可能性”を引き出しました。ただ鋼材を販売するのではなく、貴社の最良のパートナーとなり、みなさまのニーズにお答えすることで広く社会や環境に貢献することが我々の喜びです。
ぜひ、SS材とSM材の“いいとこ取り”をしたハイテン鋼の可能性に触れてみてください。

    お問い合わせ内容

    添付ファイル


    最大5MBまでのファイルを添付できます

    会社・組織名

    部署

    必須お名前

    必須メールアドレス

    電話番号

    郵便番号

    必須都道府県

    市区町村・番地以降